甲状腺疾患について
当院では、甲状腺疾患の診療も行っているので、以下の症状を認める時はいつでもお気軽にご受診ください。
甲状腺ホルモンが過剰な状態にある場合にみられる主な症状
- 甲状腺が腫れている
- 眼球突出
- 動悸、息切れ
- 多汗
- 疲れやすい
- 手指が震えている
- 暑がっている など
甲状腺ホルモンが過剰な状態にある場合にみられる主な症状
- 体重が増えている
- 体にむくみがある
- 寒がっている
- 記憶力が低下している
- 便秘
- 脈がゆっくりになる など
主な甲状腺の病気
バセドウ病
甲状腺が過剰に分泌してしまう甲状腺機能亢進症のひとつで、発症の原因につきましては、免疫異常によるものではないかといわれています。この場合、血液中で甲状腺を攻撃してしまう抗体が作られてしまうことで、過剰に甲状腺ホルモンが分泌されるようになります。女性の患者数が多いのが特徴で、男女比は男性1に対して、女性は5もしくは6の割合になっています。
症状としてはびまん性甲状腺腫、また頻脈や動悸、眼球突出が挙げられます。上記以外にも、異常に汗をかく、食欲は増し、よく食べるものの痩せてしまう、疲れやすい、手が震える、下痢などの症状がみられます。
治療について
過剰に分泌されている甲状腺ホルモンを抑制し、正常化させるためには、まず薬物療法が行われます。この場合、抗甲状腺薬として、プロピルチオウラシルやチアマゾールなどの内服薬が使用されます。同薬による治療は、発症初期(3ヵ月程度)は副作用がでやすいので、2週間に1度の割合で通院と血液検査をしていきます。
その後、症状が安定しましたら患者様の経過をみるなどして、定期的に受診し、フォローアップします。
橋本病(慢性甲状腺炎)
主に免疫異常によって甲状腺に炎症が起き、それによって甲状腺の細胞が破壊されるようになれば、甲状腺ホルモンの分泌が低下することがあります。この影響で、様々な症状がみられているが橋本病です。患者数を男女別でみると、女性の方が20倍ほど多いともいわれています。
症状としては
甲状腺の炎症による腫れがみられるほか、同ホルモン分泌不足による代謝の悪化によって、身体にむくみがみられる、体重が増える、寒がっている、便秘になる等の症状もみられ、嗄声(声がかれる)や抑うつ気分なども起きるようになります。
治療について
甲状腺機能が明らかに低下していると判断されると治療が行われます。この場合、薬物療法として、体内で不足している甲状腺ホルモンを内服する薬物療法が行われます。
なお橋本病と診断された患者様でも、甲状腺機能に異常がなければ、治療の必要はありません。ただし、機能が低下するリスクがあるので、経過観察のために通院することもあります。